ヨーキーもも

サプリメントでのビタミン類の摂取

9月13日
検査結果
 ALB 2.7(2.3-3.6)
 TP 5.6(5.0-7.0)
 Tcho 72(111-312)
 Ca 10.3(9.3-12.1)
 イオン化Ca 1.05(1.0-1.5)

8月31日~9月13日
ごはん(1日分・4回に分けて食べさせてます)
 ささみ 45g(生45gを茹でたもの)
 白米 55g (炊いたご飯55g)
 サツマイモ 36g(茹でたサツマイモ36g)
 スペシフィックCRD-1 13g
 約227kcal 脂質1.3g(2.24%) 蛋白質16g(27%)

サプリメント
 マルチビタミン&ミネラル
 ビタミンB群
 ビオチン
 ビタミンK
 ビタミンD 
 ビタミンC
 カルシウム
 L-グルタミン
 ミヤリサン
 強力ワカモト
 ふりかけわん
 
投薬
 プレドニゾロン 1.5mg/3日

この2週間で変更したものは、αリポCをお休みして、ビタミンB群とビタミンCを使ってみました。
αリポ酸はチオクト酸と呼ばれる補酵素の一種で水、脂どちらにも解けて吸収され、抗酸化作用やエネルギー産生に重要な働きをしているそうです。腸内細菌で作られますが、高齢になると生産力も衰えて、また、活性酸素も増加するのでサプリとして摂ると効果ありそう。。。と思ったのですが、ALBの回復にはつながらず、お休みです笑

ご注意ください⇒猫ちゃんにはαリポ酸は禁忌です!!

サプリメントでのビタミン類の摂取はしたくない。。。という意見もありますが、不足しているものは補うべきだと割り切って使っています。
人間の場合は、ビタミン類、ミネラル類の摂取は病気や老化を予防するという研究結果がありますが、ワンコにも有効か??
人にも良いのだから、ワンコにも良いだろうと取り入れてます。
参考にしている記事

私もたくさんのサプリを飲んでいますが、鉄も不足しているかもと気になり、フェロケル(キレート鉄)を飲み始めましたが、自分のフェリチン(体内に蓄えている鉄分)値をまず知ろうということで血液検査してきました!!
結果フェリチン値は150↑↑で鉄は充分蓄えているようでした💦
若い女性はのほとんどは、鉄不足といわれています、、、が、若くないので心配なさそうです^_^;
先生と相談してフェロケルサプリは中止しました。

気になる論文を見つけました!!
Serum 25-hydroxyvitamin D concentrations in dogs with suspected acute pancreatitis
(急性膵炎の犬における血清 25-hydroxyvitamin D 濃度)
急性膵炎の犬は健康な犬と比較して血中ビタミンD濃度が低かった。
また、急性膵炎で死亡した犬は回復した犬よりビタミンD濃度が低かった。
イオン化カルシウムの値やCRPの値も比較されています。
内容はもっと深そうですが。。。
ビタミンDが膵炎予防に効果があったらいいなぁ
ビタミンD不足しているようだったらしっかり摂りましょう!!

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皮膚の状態OKです!! 足も狩が出来るくらい回復です♪

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娘の愛車にベッドをおいてもらいました♪ ちょっと小さい?

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月がきれいな季節になりましたね。


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  1. 2017/09/13(水) 23:11:23|
  2. IBDやリンパ管拡張症の文献・情報など
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PLEに対するUltra Low-fat Dietを用いた治療 施設ごとの比較

2月17日~2月19日に開催された
「日本獣医内科学アカデミー」のうち
2月19日の、シンポジウム「PLEに対するUltra Low-fat Dietを用いた治療 施設ごとの比較」を聞いてきました!!!

以下シンポジウムの内容


日本大学の場合
2014年の論文の内容
ステロイド抵抗性の腸リンパ管拡張症に脂肪制限食が臨床的に有用であるか確認。
24頭の症例にULF、ULF+LFを試し1か月~2か月で体重、CCECAI、血液検査を比較した。
脂肪制限食で1か月以降にCCECAIの低下を認めALB、TPの増加が認められた。
ULFとULF+LFで比較するとALB濃度はULFの方が上昇した。
24例中19例がステロイドの減薬(内5例が断薬)が可能だった。

論文発表以降の症例12例
対象:ステロイド抵抗性のリンパ管拡張症(消化管型リンパ腫は除外)
ULF100%で導入前、1か月後、2か月後にTP、ALBを測定
導入前:平均ALB1.7(12例がALB<2.2)、平均TP4 
1か月後:平均ALB2.5(3例がALB<2.2)、平均TP5
2か月後:平均ALB2.6(12例がALB>2.2)、4例程度がTP>5.2
ULFでもALBが2.4程度までしか上がらない症例があるが、ALBが2.5程度あれば臨床症状は出ないのでステロイドの増量などは行わない。
対象をPLE全体ではなくステロイド抵抗性のPLEにすれば十分効果が出て、薬剤の減量が可能で長期に生存する。
問題点は脂肪を著しく制限しているので長期間ULF100%では続けられないこと。
カルシウムの不足が問題で、骨折の症例もある。
栄養性の上皮小体亢進症が起こる可能性がある。
改善したらULF100%からULF50%へ移行すると栄養的にも基準値に近くなり、脂肪に関しても最低限程度にはなるのでよい。
PLEは総称なのできちんと検査して治療を行うことが重要。
特に腸リンパ管拡張症に対してはULF(食事性脂肪の制限)の効果がある。

質疑応答
Q:対象症例はステロイド抵抗性のリンパ管拡張症とのことだが、内視鏡でリンパ管拡張症が認められたら導入でもよいか?
A:いきなりULF導入ではなく、生検の結果炎症細胞があれば、炎症+リンパ管拡張症と考え、ALBが1.8位だったらステロイド+低アレルギー食(Z/D)で試してみる。
この治療を数か月続けてもCRPが0だがALBの値が2.0前後にしか上がらないという場合は炎症が治まってもリンパ管拡張が残っている状態なのでULFを使う。
Q:リンパ管拡張がすでにある症例に対しては脂肪分を制限した方が理にかなっているのではないか?
A:炎症細胞が浸潤しているのであれば低アレルギー食を試す方がよいのではないかと思われる。まずはCRPが少しでもあればステロイドを使って低アレルギー食を試し、反応が悪い症例にULFを使う方がよい。

東京大学の場合
ULF、ULF+低脂肪療法食、両方で試した。
複合ビタミン剤などを使ってなるべく栄養バランスをとるようにした。
体重で量を割り出して、レシピを飼い主に渡して作ってもらうが、実際は個々に要求量が違うので実際に体重を測定して量を調整してもらった。
ULFは、ささ身、ジャガイモ、白米が主だが、飼い主の希望にも沿い、栄養バランスをとるためのいろいろな食材を使っている。
食材例:ささ身、ノンオイルツナ缶、タラ、カッテージチーズ、白米、ジャガイモ、サツマイモ(食物繊維が多いので注意が必要)等。
ミネラル、ビタミンに関しては複合ビタミン製剤を使うが、できるだけ食材から摂取できるように工夫する。
カルシウムは脱脂粉乳、玄米、胚芽米を使うと補うことができる。
また、低脂肪のドライフードをごく少量加えることによって栄養バランスが整えられる。
完全手作り食の場合は栄養計算をしてレシピを作っている。
対象症例:慢性腸症(PLE)の50症例(内視鏡検査済みは少ない)
薬剤の変更をせずに脂肪制限だけで効果があったか調査。
犬種:トイプードル、フレンチブルドッグ、チワワ、マルチーズ、ヨークシャテリア、ポメラニアン
年齢中央値:9歳
治療開始時のCIBDAI:無症状が多い
ALB:基準値を下回っている
低脂肪療法食はすでに試されている例が多かった。また、低脂肪療法食の前に低アレルギー食も試されている例もある。
病理診断(半数以上が検査していないが):腸炎、純粋なリンパ管拡張症1例、小細胞性リンパ腫6例(リンパ腫があるがリンパ管拡張もある)
50症例中13症例は超音波検査上リンパ管拡張症がない症例が含まれていた。
病理検査をした20症例中3/4程度にリンパ管拡張症。
<効果の比較>
CIBDAI(もともと無症状なものが多かったので比較できないが):効果がない→12症例、効果があった→9症例、他の薬剤も変更して効果があった→6症例
ALB:良化した→19症例、悪化・反応なし→12症例
<治療に反応した群と反応しなかった群の違い>
治療開始前のCIBDAIには傾向がない。
ALB改善例:治療前に症状がない症例に改善が多い。(しかし、同じ症例でも反応しない症例もあった。)
超音波検査でリンパ管拡張症の所見(ストリエーション)があった症例で半数が改善した。
ストリエーションがない症例5症例中1症例のみが改善した。
リンパ管拡張症があるかどうかが一つの基準ではないかと思われた。(しかし、ストリエーションがない症例でも反応しているものがあった。)

アルブミン改善群に小細胞性リンパ腫の例も含まれていた。(食事による治療だけをしていてよいか論議が必要)
消化器症状悪化例:11症例
ドライフードと比べると水分量が多いので便が柔らかくなることがある。
急な変更では下痢することがある。
BUN上昇が認められ、正常範囲を超える症例もあった。

PLEにおいて超低脂肪食は有効な治療の選択肢といえる。
一般的な低脂肪療法食に反応しない症例に対しても効果が期待できる。
リンパ管拡張症の所見があるかどうかが、この治療導入で効果があるかどうかを見分ける一つのポイントかもしれないが、それだけではなさそう。
悪化する症例もある。

日本小動物医療センターの場合
適応症例:PLEで典型的な症例
最近フレンチ・ブルドックに多い難治性の症例で、小腸にかなり広い範囲でストリエーションが見られ、内視鏡検査では浮腫があり、白いリンパ管の拡張が見られ、組織検査ではリンパ管が著しく拡張していて陰窩膿瘍があり、炎症細胞が浸潤している。こういった症例に対して治療抵抗性の場合に亘先生等が提唱された、ささ身・ジャガイモ食療法を行うと本当によく効く。
こういった症例で、プレドニゾロン、消化器サポート低脂肪、低アレルギー食、すべて効果がない。クロラムブシルやシクロスポリンの投与を考えなければならない悩ましい症例に対して、亘先生の論文通り進めてみたらアルブミンがどんどん上がり、症状も下痢が良くなる。すごく効くなという感触。
2014年8月から約2年間の症例(全症例病理検査済み)
慢性消化器症状と低アルブミン血症があり、各種除外検査、内視鏡検査生検を行い、蛋白漏出性腸症と診断された症例を集めた。ささ身・ジャガイモ食だけを最低2週間(ほとんどが2か月間)行った症例を集めた。
調査項目:開始前のシグナルメント、治療、病理所見、ULFの内容、開始時のCIBDAI、ALB、治療効果(1か月後、2か月後)、その後の経過、実施期間、有害反応、その他サプリメントを足したか。
蛋白漏出性腸症の犬で内視鏡を行った142頭だが、一般的な症例はプレドニゾロン、タイロシン、低アレルギー食(低分子プロテイン)、消化器サポート低脂肪でよくなる症例が多い。このような一般的な治療でよくなった症例と大細胞性リンパ腫であった症例(2~3例)を除いた19症例(13.4%)にULFを試した。
ささみ、ジャガイモだけでスタート(安静時要求カロリーの1.5倍でスタート)し、その後徐々に量の調整をした。
食材:ささ身1:ジャガイモ2(ジャガイモを食べない場合は、サツマイモや白米を使った)
犬種:フレンチ・ブルドック、コーギー、トイプードル、チワワ、ミニチュア・ダックス、ヨーキー、ポメラニアン、ジャックラッセルテリア、ボーダーコリー、ウェスティン
性差はなかった。年齢は5歳~12歳(中央値9歳)。犬種には特徴があったように思われる。
病理検査では慢性炎症(慢性胃腸炎)、リンパ管拡張症、リンパ腫が混在している。
19症例中19例に炎症、19例にリンパ管拡張、4例にリンパ腫の所見。
炎症:19症例のうち軽度1(原発のリンパ管拡張症と思われる)、中程度11、重度7
リンパ管拡張:中程度5、重度9
炎症とリンパ管拡張が比較的強いものが多かった。
小細胞性リンパ腫4例
反応ありは13症例、反応なしは5症例、2週間で中止は1症例
反応ありの症例に対して、2か月間ささ身とジャガイモ食だけにして、2か月後から消化器サポート低脂肪をトータルカロリーの10%程度を1か月ごとに増やす方法で再発するかしないかみた。
再発する症例と再発しない症例は半々程度だった。
13例中消化器サポート低脂肪を足していき、最終的に消化器サポート低脂肪だけでよくなったのが5例。再発が8例。
<ささ身・ジャガイモ食を2か月間続けたときの治療反応性>
ULF導入前のアルブミンは基準範囲以下が多い、CIBDAIも3以上が多い。
<開始前、1か月後、2か月後の比較>
アルブミンは有意差あり、CIBDAIもかなり下がっている。1か月後と2か月後を比較してもあまり大きく変わらないことが多い。
最初の1か月で効いてくるようだ。

アルブミンも上がってCIBDAIも下がった症例たちに消化器サポート低脂肪を足していくと半分以上が再発する。
少量ずつ足すせいか、アルブミンは下がるが消化器症状は出ないことが多かった。
再発の症例には、アルブミンが2~2.5を維持するように、個々の症例で配分を調整して、ささみ、ジャガイモ、消化器サポート低脂肪、エレンタールを使っている。
有害反応はほとんどない。
その他の栄養補助食品は使っていない。
エレンタールは人用の無脂肪の総合栄養食で味の素から出ている。ビタミン、ミネラルがバランスよく配分されていて、蛋白源がアミノ酸まで分解されている。人でもクローン病、潰瘍性大腸炎、急性膵炎、IBDの患者の術後の管理にも使われる。
効果ある症例と効果のない症例との違いは何か?
病理上での違いは何か? →無い
効果があって再発があった症例と再発がなかった症例の病理上の違いは?→無い
リンパ管拡張が重度になって再発するのかもしれない。
リンパ腫の症例もULFの効果があって再発のない症例もあるし、再発する症例もある。
病理所見でULFの効果があるか無いかの判断はできないようだ。
リンパ管拡張が重度であれ、軽度であれ、炎症が重度であれ軽度であれ、リンパ腫が混じっていても、試してみてよいのではないかという感触。
一般的な治療に反応しない場合は一度試してみて効果を確かめてよいのではと思う。
課題は、適応症例、導入時期、期間、栄養補助食品はどうするか、どこを落としどころにするか。
消化器症状がなくて、ALB>2以上であれば経過観察としている。

Q:炎症が先かリンパ管拡張が先か、答えはないが、リンパ管拡張で蛋白が漏れて炎症を起こしていることが充分あるので、脂肪を制限すること自体で抗炎症をもたらすということでは初期治療でもいいのではと思える。当施設では初期治療に使うことが多い。抗炎症が直接ではないが効果があるように思える。
A:当施設もは初期に(プレドニゾロンの前に)試している。ただ、リンパ腫が隠れている場合や炎症が完全に治まっていない場合に、食事療法だけでくすぶっていてその後の予後を悪くしてしまう可能性がもしかしたらあるのかもしれないので、経過を追わないとわからない。症状は良くなってもその後に急な悪化が表れるかもしれない。

ディスカッション
「長期投与とはいつからか?ULFを長期投与する場合にモニターするべき検査項目や注意点は?」
◇3ヶ月超えてULF100%で維持しなければいけない場合はカルシウム剤を添加する。血清中のカルシウムを測定しても脱灰が進むだけでカルシウム値は維持しているので、本当にカルシウムが足りないかどうかはインタクトPTHをモニターしなければならい。
カルシウム剤は最初から添加していてもよいのかもしれない。
また、脂溶性ビタミンの不足もおきる。脂溶性ビタミンの検査が外注などで測定できればよい。脂溶性ビタミン製剤を添加するかどうか、脂質が少ない状態で経口投与でよいかどうか。脂溶性ビタミン注射が必要ではないのかと感じている。
◇脂質以外の栄養成分は基準値を満たすためにはサプリメントなどが必要になってくるが、初めはサプリメントの処方はせず、まずULFで効果があるかどうかをみて効果があると判断し、長期にULFを投与しようと決めた症例にサプリなどを給与している。
実際に栄養成分は満たしているので1年~2年給与していて大きな問題は起こっていない。
カルシウム、リンは念のため測定しているがあまり変化はない。
◇大学内の研究で、ビタミンDもささ身とポテトだけでは結構早い段階で下がってくるようなので、ビタミン製剤をできるだけ早い段階で始めたほうが良いのではないかと思っている。
◇2か月を目安にエレンタールを足すようにしている。

「ULFが効果があって再発した場合、蛋白が漏れると炎症を引き起こす可能性があるので、炎症を抑える治療を強化しながらULFを再導入しているが、再発した時の再導入について工夫されていることはあるか?」
◇ULF100%の食事療法をやって、50%などに変えていてアルブミンが下がってきたらまずは100%に戻す。それであまり効果がなければステロイドを使う。それで反応しなければ別の原因が起こっていると判断してもう一度内視鏡検査をする。
同じ治療を続けているときほかの病気が起こらないと思ってはいけない。
◇同じ病気で治療していて急に病態が変わったときは病気が変わってきたのだろうと判断する。食事だけでうまくいっていた例が急に悪化し病理の所見が変わらなくてもステロイドが必要になることがある.。
◇ULFから+LFになるところでアルブミンが下がったときはULFに戻し、それでも効果がなければ薬剤を使う。
◇ULF100%でうまくいった症例では+LFにしていない。

「慢性腸症の分別の中で、ULFに反応する症例は「食事反応性腸症」と捉えるのか?」
◇食事反応性腸症とは、蛋白質の何かに反応する症例のことで脂肪に反応する場合は「食事反応性腸症」ではない。
◇海外の文献でも「食事反応性腸症」では低アルブミンは起こらないという発表が多い。



以上シンポジウムの内容でした。

いろいろな施設で、ここ2~3年の間に急速にリンパ管拡張症に対してULFでの食事療法が導入され始めているようです。
今回は3施設それぞれの事例について、ULFの導入の仕方、また、再発時の対応など聞けて有意義でした!!!
エレンタール、ももには有効かもしれません!!
ディスカッションを聞いていたら、未来は明るい☆と思えました。
それでも、犬の一生は思ったより短いです。
一日でも早く、良い案は下々まで即時に聞こえるように、お願いします(・_・)ゞ
  1. 2017/02/24(金) 14:21:14|
  2. IBDやリンパ管拡張症の文献・情報など
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「PLE(リンパ管拡張症)の食事管理」と「ビタミンD濃度とPLEの犬の予後の関係」

2015年7月に開催された「ペット栄養学会」でのシンポジウムで、日本大学の亘敏弘先生が講演された内容の文献が公開されました。
PLE(リンパ管拡張症)の食事管理
とてもわかりやすく書かれています。是非読んでみてください!!!

また、「Hypovitaminosis D is Associated with Poor Outcome in Dogs with Protein Losing Enteropathy」という文献が発表されています。
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/jvim.13647/full
この中の「ESCG-P-1」
Hypovitaminosis D is Associated with Poor Outcome in Dogs with Protein Losing Enteropathy
ビタミンD濃度とPLEの犬の予後の関係

K. Allenspach, J. Rizzo, Y.M. Chang.
Royal Veterinary College, North Mymms, UK


Hypovitaminosis D has previously been shown to be prevalent amongst dogs with protein losing enteropathy (PLE). Outcome is generally poor in canine PLE, and there is a lack of studies identifying underlying risk factors. The hypothesis of this study was that low vitamin D3 serum concentrations could be a risk factor for bad outcome in such patients. Medical records for dogs seen at the Royal Veterinary College between 2005 and 2014 were reviewed to identify dogs with a diagnosis of PLE confirmed by histopathology. Dogs were included in the study if they had serum samples frozen within 30 minute after sampling, had been kept at −80 degrees C until analysis, and if clinical activity scoring (CCECAI) had been recorded at the time of diagnosis. Forty-three dogs were included in the study. Follow-up with referring veterinarians was made to determine outcome of patients. Patients were divided into two groups: patients deceased due to PLE (poor outcome group, n = 22) and patients alive or deceased due to another disease (good outcome group, n = 21). Treatments for patients were allocated to two groups: one group consisted of patients who were prescribed diet only and the other group received diet and immunosuppressive agents. Samples were sent on dry ice to Michigan State University's Diagnostic Center for Population and Animal Health. Ionised calcium (iCa) was measured using an ion specific electrode and 25(OH)D was measured using a commercially available radio-immunoassay that has been validated for use in veterinary medicine. Comparisons of outcome groups for age, CCECAI, treatment, serum 25(OH)D and iCa were performed using a Mann-Whitney U test or Chi2. Logistic regression analysis was performed to determine possible risk factors for poor outcome.


Results: CCECAI scores, age, and iCa concentrations between the two groups were not significantly different. There was a significantly greater number of dogs treated with food alone in the group with good outcome (13/22) than in the poor outcome group (2/21, P = 0.001). Furthermore, median serum 25(OH)D concentration was significantly lower in patients with poor outcomes (16.5 nmol/L, range 0–66 nmol/L) compared to patients with good outcomes (37 nmol/L, range 6–81 nmol/L, P = 0.017). Using logistical regression, 25(OH)D serum concentration was a statistically significant factor for poor outcome (P = 0.03), with an increase of 25(OH)D serum concentration reducing the odds of having a poor outcome (odds ratio = 0.96, 95% CI: 0.93–0.997).

Further studies are required to investigate vitamin D as a potential adjuvant therapeutic agent in PLE patients.

血中ビタミンD濃度が低いPLE犬は予後不良であり、ビタミンDを治療に効果がある補助治療剤として今後さらに研究する必要がある。。。って書かれているような???

英語が堪能な方、和訳お願いします!!!

  1. 2016/04/21(木) 19:44:44|
  2. IBDやリンパ管拡張症の文献・情報など
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超低脂肪食での治療に関する2文献

「超低脂肪食で治療した犬慢性腸症18例の回顧的検討」


犬の慢性腸症(CE)は、対症療法に反応しない慢性の消化器症状を呈し、消化管粘膜に原因不明の炎症が認められる疾患群を指す。CEの治療法には、主に食事療法、抗菌薬療法、ステロイド療法があげられ、特に食事療法は副作用のない治療法として推奨されている。超低脂肪食(ULFD)は、米、じゃがいも、ささみを用いた手づくり療法食であり、近年、リンパ管拡張症の有効な食事療法として報告された。ULFDは食事療法の第一選択として使用が期待される一方で、CEに対する治療反応性や適応症例に関する情報は乏しい。そこで本研究では、ULFDで治療したCE症例について、治療反応率と治療効果に関連する因子を明らかにすることを目的に回顧的調査を行った。
2012年1月~2015年5月までに北海道大学付属動物病院に来院し、臨床的にCEを疑い、初診時からULFDを用いて治療した犬慢性腸症臨床活動性指標(CCECAI)≧4の症例を対象とした。初診時、治療開始後1週間、2週間、4週間の診療記録を調査した。治療開始後にCCECAI≦3になった症例を有効と定義し、治療反応率、反応に要した期間、有害事項の有無を記録した。また治療有効群と無効群間で初診時に測定した各項目(年齢、CCECAI,発症後から初診時までの期間、Alb、Tcho、Ca、WBC、CRP)について群間比較を行った。
対象として18例が該当し、そのうち11症例(61%)がULFDによる治療に反応を示した。11症例のうち6症例はCCECAIが0まで改善した。反応に要した期間は中央値15日(範囲8~22日)であり、治療期間中は明らかな有害事象は認められなかった。また治療有効群では、CCECAI(中央値6、範囲4~11)とAlb(中央値1.4g/dl、範囲1.0~2.1g/dl)が治療無効群(CCECAI:中央値10、範囲5~18、Alb:中央値2.1g/dl、範囲1.1~2.4g/dl)と比較して有意に低値を示した。
本研究の結果から、ULFDがCE症例に対して有効な治療となる可能性が示された。特に重度の低Alb血症を示し、臨床症状が軽度な症例ほどULFDに反応を示す傾向にあり、ULFD開始前のCCECAI、Albの値が治療反応性の指標となる可能性が示唆された。


以上、北海道獣医師会雑誌(2015年 北大獣医内科学 北大付属病院発表)より引用


「超低脂肪食(ultra low fat diet)による食事療法を行った腸リンパ管拡張症の9例」


腸リンパ管拡張症(IL)は腸粘膜、粘膜下組織,、腸間膜のリンパ管の異常な拡張を呈した病態であり、犬の蛋白喪失性腸症(PLE)の主な原因のひとつである。ILに対する治療は、小腸からの血漿タンパクの喪失を減らし、腸管またはリンパ管に関連した炎症を改善し、漏出や浮腫を抑えることである。食事中の長鎖脂肪酸はリンパ還流を増やし、リンパ管圧を上昇させるため、脂肪を制限した食事が推奨されている。また、ILがIBDに併発する場合などでは、ステロイド剤の投与が一般的に行われている。今回我々は、抗炎症療法や市販の低脂肪処方食でコントロールが困難であった症例に対し、長鎖脂肪酸を制限した超低脂肪食として、ササミ、ポテト、白米等の給餌を行ったところ、良好な反応を得られた症例が多かったことからその概要を報告する。
2010年6月~2011年10月までに日本大学動物病院へ低アルブミン血症を主訴に来院し、内視鏡検査により病理組織学的にリンパ管拡張を認め、PLEと診断した症例のうち、ステロイド剤に反応の乏しい5例、ステロイド剤の減量により再発した3例および病理検査にて炎症像が乏しい1例の計9例に対して、超低脂肪食による食事療法を行った。超低脂肪食として、ササミ1容に対してポテト2容あるいは白米2容となるように給餌した。
 超低脂肪食開始後にALB値が正常値へ改善したのは9例中8例であった。病理結果にて炎症像が貧しかった1例は、ステロイドを使用せずに4ヶ月間良好に維持したが再発し、ステロイドの使用が必要となった。効果の得られた8例全てにおいてステロイドの減量が可能であり、1例において休薬に成功した。超低脂肪食により改善しなかった1例は、ステロイド継続中に再発し、超低脂肪食を開始するも重度の食欲低下、水溶性下痢を呈し、死亡した。
ILに対する治療は脂肪制限食が基本となるが、その便利さから一般的に低脂肪処方食が用いられてきた。しかし、ステロイドへの反応が乏しかったり、再発を繰り返すようなコントロールの難しい症例に対して、食事を超低脂肪食へ変更することで良好な反応が得られ、ステロイドの減量、休薬が可能となったことから、ILに対して超低脂肪食は非常に有用であると考えられた。


以上、日本獣医師会獣医学術会年次大会講演要旨集(2012年 日本大学動物病院 日本大学総合臨床獣医学発表)より引用



  1. 2016/04/15(金) 21:05:25|
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炎症性腸疾患の犬の治療に対する同種脂肪組織由来間葉系幹細胞の安全性と効果について:臨床的および検査の結果

炎症性腸疾患の犬に対して間葉系幹細胞を静脈注射で投与する研究が始まっています。
新しい治療法の研究は進んでいます!!!

■炎症性腸疾患の犬の治療に対する同種脂肪組織由来間葉系幹細胞の安全性と効果について:臨床的および検査の結果

以下転載




炎症性腸疾患の犬の治療に対する同種脂肪組織由来間葉系幹細胞の安全性と効果について:臨床的および検査の結果

Safety and efficacy of allogeneic adipose tissue-derived mesenchymal stem cells for treatment of dogs with inflammatory bowel disease: Clinical and laboratory outcomes.
Vet J. 2015 Aug 7. pii: S1090-0233(15)00327-5. doi: 10.1016/j.tvjl.2015.08.003.
Perez-Merino EM, Uson-Casaus JM, Zaragoza-Bayle C, Duque-Carrasco J, Marinas-Pardo L, Hermida-Prieto M, Barrera-Chacon R, Gualtieri M.

間葉系幹細胞(MSCs)は、実験的な結腸炎において免疫調節および抗炎症効果が証明されており、クローン病と潰瘍性大腸炎の人において臨床的な効果が期待されている。

本研究の目的は、炎症性腸疾患 (IBD)の犬において脂肪組織由来MSC (ASC)療法の安全性と実現可能性を明らかにすることである。

IBDと確定診断された11頭の犬に対して、ASC(2x10^6 cells/kg)を1回静脈内投与した。結果の評価は、治療開始後42日の時点において、C反応性蛋白(CRP)、アルブミン、葉酸、コバラミン濃度の正常化だけではなく、有用な臨床的炎症性腸疾患活動指標 (CIBDAI)と犬慢性腸症臨床活動性インデックス(CCECAI)がどの程度減少するかという点についての臨床的な反応であった。治療の前後においての変化を比較するのにはWilcoxon試験を用いた。

経過観察している間に、ASC投与に対する急性の反応もなく副作用が認められた犬もいなかった。治療6週後において、CIBDAIとCCECAIは有意に減少し、アルブミン、コバラミン、葉酸濃度も実質増加した。治療前後におけるCRP濃度の減少は有意ではなかった(P=0.050)。42日の時点で、11頭中9頭において臨床的な寛解(最初のCIBDAIおよびCCECAIが75% 以上減少することと定義する)が得られた。残りの2頭の犬は、69.2%と71.4%の減少率で部分反応を示した。

結果として、同種ASCの単回IV投与は耐容性があり、重度のIBDの犬において臨床的な恩恵があるようにみえた。(Dr.Taku訳)




また、獣医療の雑誌「CAP 2015年11月号」に「どう攻める? 犬の蛋白漏出性腸症」と題して特集が組まれています。
日大の亘敏広先生はじめ、福島健次郎先生、大野耕一先生、中島亘先生が最新の情報を寄稿されています。
興味のある方は、ご一読されても良いですね。
  1. 2015/11/16(月) 12:57:37|
  2. IBDやリンパ管拡張症の文献・情報など
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